身近な人の最期が訪れるとき、不思議な話が生まれる!
虫の知らせなど、人が最期を迎えるときには不思議な話が生まれるきっかけになります。
普段は霊感などをいっさい感じなくても身近な人が最期を迎えるときは、多くの方が不思議な体験をすることがあります。
今回はそんな、身近な人が最期を迎える時の知らせにまつわる「実話怪談・怖い話」をお届けします。
父の最期と四十九日に体験した不思議な話
私の父は身体を悪くして長いあいだ闘病生活を送っておりました。
薬の投与などを続けていましたが、容態は次第に悪化するいっぽうで、回復の兆しはありませんでした。
次第に寝たきりとなり、父の寝言を聞くことが増えました。
その寝言からは、体が弱っているためか毎日のように既に亡くなった知人や友人の夢を見ているようでした。
そして、病院で付き添っている母には「今日は仲がよかったけど、早くに亡くなったAさんが夢に出てきた」など毎日のように話すのです。
そんな日々が続く中、主治医から「あと1ヶ月くらいかもしれない」という診断も下りました。
私が不思議な体験をしたのは、この父の寿命が迫っている診断を主治医から伝えられた当日でした。
父のお見舞いから戻り、自室でいつも通り、眠りについたその後に夢を見ました。
夢には父が出てきて、何をするわけでもなく、ただ私を見つめて微笑んでいるのです。
父が微笑む顔を久しぶりに見た私は、嬉しいような、悲しいような、暖かいけど寂しい気持ちで父を見ていました。
目が覚めると同時にふっと心に「父は今日死ぬんだ」という思いがよぎりました。
そう思ったときに、タイミング良く母から「父の呼吸が止まりかけている、、、もしかしたら今日が峠かもしれないと先生が言っている。」と言う急ぎの連絡が届きました。
父の危篤の連絡を受け取り、急いで病院に向かおうと支度をしていると母から再度連絡が入り、「父がさっき息を引き取った」と伝えられました。
残念ながら、私は父の最期に間に合いませんでした。
病院に向かう途中に思ったのは、父は私が最期の時間に間に合わないとわかっていたから、夢に出てきたのだと・・・。
言葉こそ交わさなかったものの、あれがお別れの挨拶だったのでしょう。
父の葬儀が済んでからしばらくして、私の夫が「お前のお父さんの夢を見たよ」と話すのです。
夢の内容はあまり覚えていないけど、「父の隣にもうひとり、女性が佇んでいた」
そして、父の隣に佇んていた女性は、顔ははっきりと分からなかったけど、年配で明るい着物を羽織り、髪は短めだったそうです。
夫の夢の内容を私の母に話すと「もしかしたら、それは亡くなった父方の母かもしれない」と言うことでした。
亡くなった父方の母は、普段から着物を羽織っていたそうで、形見として残されていた着物は、父の葬儀時に棺に納めた経緯があったそうです。
私の夫は、父方の母を会うことはなったので、夢の中で顔が分からなかったのではないでしょうか。
父が夫に伝えたかったことは不明ですが、奇しくも夫がその夢を見たのも、父が亡くなってから四十九日の事でした。
どうやら、私の父は他人の夢に出てきて、何かを伝えるのが好きなようです。
実話怪談を読んだ感想
体験者は父の最期を看取ることができませんでした。
しかし、間に合わない事を知っていたかのように体験者の父は夢に現れます。
言葉こそ交わさなかったものの、体験者が父の死を悟ったことで、最期の別れを伝えにきたのだと感じています。
そして、四十九日には体験者の夫の夢にて、棺に納めれた遺品に関わる方と再度現れています。
日本には昔から、最期を迎える人は、夢、霊体、電話など様々な形や方法で最期の別れを伝えに来ると言う話が語られています。
昔から数多くの体験談が語られているため、決して無下にできない怪談話です。
最期を迎える方から見て、別れを伝える瞬間はどのように映っているのでしょうか・・・ここは実際に最期を迎えてみないと分かりませんね。