【実話怪談】お盆の先祖供養にて墓越しにこちらを覗く女性の話

お盆は多くの方が里帰りや、先祖供養のためにお墓参りに行くことが多い季節です。

あの世から先祖が帰って来るとも言われる、特別な季節である「お盆」には特別な風習が残っている地域もあります。

今回はそんな、お盆の先祖供養のためのお墓参りでの「実話怪談・怖い話」をお届けします。

お盆の先祖供養にて墓越しにこちらを覗く女性の話

私が小学生の頃に、家族で先祖の墓参りに行ったときの話です。

先祖のお墓が建っているのは周囲を雑木林に囲まれた田舎のお寺にあります。

夕食を終えて19時ぐらいから出かけたので、真夏ではありましたが辺りは暗く、私達の家族の車だけが駐車場にありました。

墓園に入り先祖のお墓掃除をしていたところ、近くで人の気配を感じたので、他にも墓参りに来ている人がいるのだと思いました。

両親と姉で墓石を掃除していると、少し離れた墓石からこちらを見ている人に気づきました。

何気無くそちらを見ると、70歳前後でメガネをかけた女性が、墓石の陰から顔だけ出してこちらを見て微笑んでいました。

先ほど感じた気配は、こちらを見て微笑む女性だったのかと思い、不思議と安心しました

墓掃除とお参りも終わり帰宅しようとした頃に、先ほど女性のいた方向を見渡しましたが誰もいません。

先祖のお墓は、園内に1つだけある入り口からすぐのところにあり、女性が出ていけば必ず気が付く場所にあります。

小学校の運動場ぐらいの小さな敷地の墓園なので、人が移動すれば物音くらいは聞こえてくる広さです。

お盆という時期も重なり、気になりましたが特に気に留めずお寺を後にしました。

その後、帰りの車中で先ほどの女性のことを話してみると、両親も姉も人は見かけていないし、物音も聞いていないと言います。

私はこの時、小学生で幼かったこともあり、私の勘違いだろうと話はまとまりました。

先祖のお墓参りで、こちらを見て微笑む女性を見たのも忘れかけていた2週間後の早朝の事でした。

昨日まで元気だった祖母の容態が急変、病院に搬送されましたが、残念ながらその日の夕方には病院で亡くなりました。

両親の仕事の都合で普段から面倒良くみてもらっていたのでショックは大きかったのですが、祖母が亡くなるまでの数時間はすごく穏やかな笑顔でした。

後から思い返せば祖母の笑顔は、お盆の墓参りで出会った女性と同じような穏やかな笑顔でした。

先祖のお墓参りで、こちらを覗いて微笑んでいた女性は亡くなった祖母だったのでしょうか、それとも・・・。

実話怪談を読んだ感想

お盆時期に限らず、お墓などの亡くなった方が供養されている場所には不思議な話が多くあります。

今回の実話怪談は、お墓から覗いていた女性と亡くなった祖母の表情に近いものを感じ、こちらを覗いていたのが祖母だったかもしれないという話。

死期が近くなった方が、離れている家族や親友に会いに来る虫の知らせに系の話とも考えることも出来るでしょう。

気になるのは、お墓から微笑みながらこちらを覗いていた女性が、亡くなった祖母ではなかったら・・・誰だったのか。

少しだけ怖さが残る実話怪談でした。

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